当社、株式会社クーネルワークでは、オウンドメディアのご提案、戦略立案から、実際の構築や、コンテンツ制作などの運用サポートを行っています。
オウンドメディアとは?
オウンドメディアとは、企業が自社で保有・運営する、インターネットメディアのことです。具体的には、自社で運営する「WEBマガジン」、「ブログ」などのことを指します。
オウンドメディアの他に、ペイドメディア・アーンドメディアという概念があり、これら3つを合わせて、「トリプルメディア」と呼んでいます。
ペイドメディアとは
主に広告費用として、お金を支払うことで掲載することができるメディアです。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌のマス媒体や、リスティング広告などのインターネット広告などの媒体がこれにあたります。
アーンドメディアとは
企業が生活者からの評判や信用などを獲得したり、口コミ効果を狙うためのメディアです。TwitterやFacebookなどのSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)がこれにあたります。
トリプルメディアの相関関係
オウンドメディア・ペイドメディア・アーンドメディアは、それぞれ役割が異なります。
ペイドメディアは、コンテンツを仲介し、集客をするためのメディア。アーンドメディアは、コンテンツをより広く拡散するためのメディアです。
ペイドメディア・アーンドメディアを活用し、自身でコンテンツを発信するためのメディアが、オウンドメディアです。
オウンドメディアが重要になった背景
オウンドメディアという概念が最初に登場したのは、2009年にアメリカで発表された「マルチメディア2.0」という論文だと言われています。
日本で頻繁に話題に上がるようになってきたのは、2014年頃からでしょうか。ここ2〜3年は、オウンドメディアブームと言っても良いほど、WEB業界でよく使われている言葉です。
オウンドメディアがこれほどまでに注目を集めるようになったのには、いくつかの理由があります。
従来の広告手法の限界
一つには、これまでのテレビCMを始めとしたマス広告や、2011年頃から一気に普及したFacebookやTwitterなどのSNSを活用したマーケティングなど、これまでの広告手法(ペイドメディア・アーンドメディア)の効果が薄れてきたことが上げられます。
情報過多に陥った状況の中で、ユーザーのリテラシーも向上し、「ただ広告を出しただけ」では、物が売れない時代になってきたと言えます。広告と合わせて、積極的にコンテンツを発信することで、より深く、自社のサービスのことを知ってもらうために、オウンドメディアが作られるようになりました。
Googleのアップデートに伴うSEO対策の変化
以前は、検索エンジンからのアクセスを増やすために、SEO業社に依頼をしている会社が多く存在しました。有料サービスを利用して、サイトへ外部からの被リンクをつけたり、とにかくコンテンツを増やしてページ数を増やす、などの手法が横行し、実際に検索エンジンの順位を上げることができました。
Googleもそういった恣意的に検索順位を操作しようとするSEO業社への対策を取るようになりました。代表的なのは以下の2件のGoogleアップデートです。
Google パンダアップデート(2011年~)
オリジナリティの低いコンテンツや、内容の薄いページを増産しているサイトにペナルティを課した。
Google ペンギンアップデート(2012年~)
外部サイトから、作為的な外部リンク(有料リンク)を得ているサイトにペナルティを課した。
こういったGoogleの対策は現在も継続的に行われています。これらのアップデートにより、「業社にお金を払えば検索順位が上がる」という時代は、とうの昔に終了しました。
現在は、「ユーザーにとって有益で、信頼性・独自性のある、質の高いコンテンツ」を、しっかりと作っていかなければ、Googleには評価されません。
時間を掛けてコンテンツを作っていくか、リスティング広告(検索エンジン連動型広告)を使わなけなければ、検索エンジンからのアクセスが見込めない、という状況にあるのです。
コンテンツマーケティングの考え方
Googleがコンテンツの内容を重視するようになったことで、WEBサイト運営において、「コンテンツマーケティング」の考え方が重要になってきました。
コンテンツマーケティングとは
読者にとって価値のある情報の発信によって、見込客をファン化し、将来の購買行動などに段階的に繋げていく手法のこと。
これだけ聞くとなんだか当たり前のように感じますが、実際のところ、コンテンツマーケティングの考え方は、100年以上前からあったもので、WEBに限った考え方ではありません。
近年のSNSの普及と、SEOの変化によって、WEB業界でも重要視されるようになってきました。
代表的なものとして上げられるのが、タイヤメーカーのミシュランが刊行する「ミシュランガイド」です。
ミシュランがグルメのガイドブックを作ったのは、このガイドブックを見て行きたい場所を見つけてもらう→自動車旅行が活発化→タイヤが売れるという流れに期待したものです。
結果的に、タイヤメーカーというややニッチな業界にありながら、「ミシュラン」の名前が世に浸透し、一つのブランドとしての信頼感を得るに至りました。
売上に対しては、やや間接的な手法に見えますが、継続的に有益な情報を提供することで、ユーザーが自らの意志でそのコンテンツを見に来てくれる流れを作ることができます。その関係性の中で、見込み客に自社の企業価値・商品価値を伝え、自社のファンへ取り込んでいくことでブランド力を高め、結果的に売上にも繋がって行く、という考え方です。
オウンドメディアはコンテンツマーケティングをWEB上で実践するための場所であり、コンテンツマーケティングの手法の一つと言えます。
コンテンツが会社の資産になる
オウンドメディアでコンテンツマーケティングに取り組むことのメリットとして、作ったコンテンツが長期的な自社の資産になることが挙げられます。これが、ペイドメディアや、アーンドメディアとの大きな違いです。
コンテンツを作るのは、非常に手間と時間がかかることですが、一度作ってしまえば、それらのコンテンツが継続的に集客のツールとして機能します。時間はかかりますが、早くからオウンドメディアを地道に育てていくことで、将来的な広告費の削減が期待できます。
オウンドメディアは、長期的な視点を持って、これからの企業が取り組んでいくべきWEB施策です。
オウンドメディア構築のポイント
それでは実際に、オウンドメディアを作りたい!と考えた時に、どのようなことを検討すればよいのか、いくつかのポイントを挙げてみます。
ターゲットを決め、何をゴールにするのかを明確にする
オウンドメディアを通して、何を実現するのか。何を目的にするのかを明確にすることから始めましょう。
オウンドメディアを立ち上げても、目的があいまいだと、発信する内容もとりとめのないものになりがちです。中身の薄い、単なるスタッフ日記のようなものを掲載しても、なかなか見向きはされません。
「認知度の向上」や「ブランディング」、「新規顧客の開拓」、「リピーターの増加」、など、現状の自社のマーケティング課題を解決することを前提として、より具体的な目的とペルソナを設定しましょう。
ペルソナとは
ある商品やサービスを提供する際に、メインのターゲットとして想定された「ユーザーモデル」、「人物像」を指します。その商品やサービスにとって、最も象徴的なユーザー像をイメージして設定します。
「ターゲット」との違いは、ユーザー像をより深く、具体的にイメージすることにあります。例えば、「31歳の独身男性で、広告代理店勤務。仕事が忙しくいつも帰りは遅い。車を所有していて、休日は山登りやキャンプなどのアウトドアを楽しんでいる。…etc」といった、年齢や性別、仕事内容などの基本的な情報から、趣味や休日の過ごし方、将来の目標や現在の悩みなど、幅広い面から人物像を作り上げていきます。
どんなテーマでどんなコンテンツを発信するのか
オウンドメディアとして、ユーザーにとって有益で、信頼性・独自性のある、質の高いコンテンツを配信し続けるには、テーマ選びが重要です。
しかし、オウンドメディアを立ち上げる目的と、ターゲットユーザーのペルソナを設定すれば、どんなテーマのメディアを立ち上げ、どんなコンテンツを発信していくべきか、という方向性は自ずと決まってきます。
ユーザーに何を与えられるか
ここで特に気をつけたいことは、ユーザーにとって「有益」な情報を提供できるかどうか、ということです。
ユーザーは大量のネット情報の中から、自身にとって有益な情報を取捨選択しています。中身の薄い単なるスタッフ日記のようなコンテンツや、社内スタッフにしか伝わらないような内輪ネタでは、ユーザーには見向きもされません。
また、発信する情報が企業側に都合のよいものになりすぎて、一方的な宣伝ばかりになってしまっても、ユーザーに敬遠されてしまいます。
自社の立場から一歩引いて、できるだけ中立的な立場で、ユーザー目線に立ってコンテンツを考えていくことで、ユーザーは自然とサイトに集まってきます。
自社の強みを活かし、独自性・信頼性のある記事を作る
ユーザーにとって有益な情報を発信するには、自社の強みやノウハウを活かすことが一つのポイントです。
企業がマーケティング課題の解決の為に情報発信するのですから、不確かな私見を発信するのではなく、「その業界のプロとして」、一般ユーザーには書けないような独自性があり、情報として信頼されるようなコンテンツを発信しましょう。
と言っても、深く考える必要はなく、普段お客様によく聞かれるような内容だったり、お客様にアドバイスとしてしているような内容をまとめていくだけで、十分有益なコンテンツになります。そして、業務知識に関連したものの方が単純に書きやすいです。
例えば、「美容のプロがおすすめする冬のお肌ケア」、「不動産のプロが選ぶ、家づくり重要チェックポイント」といった内容です。
また、通常業務で行う施工や、施術などのBefore/After事例などもおすすめです。建築関係や、美容院・エステ、自動車整備などは、特にこういった事例をコンテンツにしやすいのではないでしょうか。
どこに、どんな形で設置するかを考える
自社のホームページとは完全に別のサイトとして、新たに作ることが一般的と思いがちですが、スタッフブログや、コラムのような形で、現在のホームページのコンテンツの一つとしてオウンドメディアを設置することも可能です。
発信するテーマによって、自社サイトから切り分けて作るべきなのか、ホームページの中の一部コンテンツにとどめて置くべきなのか、という判断をすると良いと思います。
何より重要なのは、オウンドメディアを通して、自社の顧客になってもらう為の導線をしっかり作っておくことです。オウンドメディアでどれだけアクセスが増えても、当初の目的を達成できなければ意味がありません。
社内スタッフでも手軽に更新できるCMSを導入する
長期的に運営をしていくことを考えるなら、外部のブログサービスなどを使用するのは避け、独自ドメインを取得し、CMS(コンテンツマネジメントシステム)を使ってサイトを構築するのが基本です。
CMSにも様々な種類のものがありますが、その中でも世界トップシェアを誇るのが「WordPress」です。
WordPressとは
WordPressは2003年に誕生して以降、現在最も普及しているオープンソースのブログシステム・CMS(コンテンツマネジメントシステム)です。ネット上で文章を公開する際、できるだけ簡単で楽しく、魅力的な体験ができるように設計されており、誰でも無料でダウンロードして使うことができます。プログラムの改変、再配布も許可されており、世界中の技術者がボランティアべースで開発に参加しています。
管理画面から簡単にページの追加や修正が可能で、SEOにも強いことが特徴です。低コストで本格的なWEBサイトを制作できます。
検索エンジン対策とSNSの活用で効果を最大化する
オウンドメディアを構築し、コンテンツを発信する体制が整っても、ユーザーに見てもらえなければ意味がありません。
お金をかけずにオウンドメディアのアクセス数を増やすには、「GoogleやYahooからの検索流入を増やすこと」と「SNSで情報拡散すること」、主にこの2つの方法しかありません。
ユーザーがどんな検索キーワードを利用するかをイメージして、そのユーザーのニーズに合致したコンテンツを作成しましょう。
検索エンジンに強いサイトを設計する部分はプロに任せた方が良いと思います。
WordPressであれば、SEOに最適化するための機能や、SNSへ連携して自動投稿する機能なども充実していますが、SEOに対する知識や、WordPress活用のノウハウは、制作会社によってかなり違いが出るところなので、WEBマーケティングの知識や、実績の多くある会社に依頼することをおすすめします。
当社事例「新潟永住計画」
当社クーネルワークでも、「新潟永住計画」というオウンドメディアの運営に取り組んでいます。その実績を少しご紹介します。
開設の目的とコンセプト
「新潟永住計画」は、当社が運営している、新潟の生産者と全国の消費者を繋ぐ通販サイト「新潟直送計画」のオウンドメディアとして企画し、2016年10月にサイトOPENしました。
新潟県外の方々に新潟の魅力を発信するだけでなく、 新潟から県外へ離れてしまった方々にふるさとを懐かしんで頂いたり、 新潟にいる方々には新潟の魅力を再発見して頂けるようなWEBマガジンとして、新潟の食/観光/暮らしなどの情報を中心に、コンテンツを制作しています。
運営状況と実績
社内スタッフを中心に月20本前後の記事を公開し、サイト開設から5ヶ月で、月間7万PVに到達しました。コンテンツを制作していくのは手間のかかる地道な作業にはなりますが、長期的に運営していけば、さらにアクセス数の成長が期待できると思います。
アクセスの約62%が検索エンジンからの流入です。Facebookを中心にSNSからのアクセスも26%ほどありました。
スマートフォンからのアクセスが、全体の約76%ほどを占めています。WEBサイトはもうスマートフォンでの表示を中心に考えなければいけない時代になっていることが、この数字からもお分かりいただけると思います。
閲覧ユーザーは、東京・新潟の20-40代が中心です。新潟のローカル情報中心の発信でありながら、東京からのアクセスが最も多く、県外ユーザーの獲得を実現できています。
オウンドメディアの制作・構築はお任せ下さい
当社、株式会社クーネルワークでは、オウンドメディアのご提案、戦略立案から、実際の構築や、コンテンツ制作などの運用サポートを行っています。
オウンドメディアを作ってみたいけど、何を発信したら良いかわからない、どういう形で構築すべきかわからない、という方、是非お気軽にご相談ください。